多飲・多食は夭死の基(貝原益軒−養生訓より)

 古今医統(明代の医者徐春甫の著書)に、「百病の横夭は、多く飲食による。飲食の患は、色欲に過ぎたり」と言えり。色欲は猶も絶つべし飲食は半日もたつべからず。故に飲食のためにやぶらるる事多し。食多ければ積聚(うっとうしい気分)となり、飲多ければ痰癖(たんぺき・咳と共に痰がでる)となる。

   私は貧しい家に育ったのだが、男が台所に立つなどと言う所を父などに見つかるとコッピドク叱られたモノである。つまり『武士は食わねど高楊枝』的な教育方針であったのであろう。だから、今でも自分で料理をするくらいなら、一食ぐらいなら抜きたいと思う。



   私はこと健康に関しては個人差がひどいと思っている。ある健康法が良いという説を鵜呑みにして実行すると、その事によってとんでもない健康阻害を起こす人がきっと居るモノである。



   だから、私は健康法に関しては各一人一人の体質、体力に応じたつまり個別メニューでなければならないする説をずっととり続けているのだが、ただ一つだけ例外がある。それは『少食こそ健康の元』と言う大鉄則である。これだけは万人に共通でこれをはずしては如何なる健康法もあり得ないと固く信じているものである。