勇於敢則殺、勇於不敢則活。(敢に勇なれば則ち殺し、不敢に勇なれば則ち活かす)     P335c 老子73章
 勇気には二つの種類がある。一つは敢、すなわちどんな困難があっても敢えてやると言う積極の勇気、他の一つは不敢、すなわちどんなことがあっても、絶対にやらないという消極の勇気である。
 敢の勇気はややもすると人を殺し、己を殺す。これに対し不敢の勇気は人を生かし、己を生かす。より大切なのは不敢の勇気である。
 これは大変な哲学だ。私の育ってきた環境も、そしてなによりも時代が敢の勇気を褒めそやしてきた。今の時代はむしろ不敢の勇気を持つべき時代ではないか?

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