旧制佐賀中学校時代の同級生、K氏から葉書を頂き返事を書いた。

K.K 様

    お葉書、格別の懐かしさをもって読ませて頂きました。 



1.まずは相変わらずの几帳面なご性格のようなペンの運び、誠に兄ならではの感が致しました。

2.『いく度か死線をさ迷った・・・』そうでしたか、それだけ兄は運が強いお方であるということでありましょう。良かったですね・・・。

3.『最近は、ヤレ同期生だとか、教え子だなどと名乗って・・・・』そうですか?佐賀のような田舎では純朴な人が多いだけにそうした詐欺マガイの商法もかえって多いのかも知れませんね・・・・。我々年寄りはコロッと参らされますから、用心用心です。

4.そうでしたか?ワシは昭和28年に結婚したよ。二女がいる。その次女がワシ等老夫婦に海外旅行のプレゼントを計画してくれたので、いまは『老いては子に従え』の俚諺通りにヨーロッパ・スイス旅行を考えております。(と申しましても、ワシは格別旅行が好きではない。頂いた旅行だから行ってみる程度。) 


5.特に健康上は問題があるというわけでもなし、無いというワケでもない。狭心症の気があるが、年相応のエエ加減な故障と言うべきでしょう。 


6.趣味と言っては雑多でとりとめのないことばかり。人に誇れるようなモノは何もない。パソコンはこの年では良くさわる方かも知れません。日本史は面白いと思う。絵は花が好きで、時々花を描いてみる程度。古文書はしばらくやったが、もう年、なかなか字が読めない、覚えられないで止めました。写真も好きだが下手です。何にも取り柄はないです。 


5.次女が英文で本を書いたので、せめてこの本ぐらいは親としての務めとして頑張って読むことにしたのです。

     題名は: Linking Refugee Aid with Development 



  (難民支援に関する総頁251頁、特殊分野の本ですから、勿論一般向きではありません。) 


   まあ、一通り目を通したところです。英語は嫌いでは無かったので、再度英語の復習の積もりで、今は英文法の本を読んでいますよ。前記の本は、親として精読せねば申し訳ないと思っている次第です。(次女が分からないところは教えて呉れたら良いのに、尋ねても、あまり進んで教えてくれない。親子とは難しいものですネ・・・。呵々)ワシ等は、難民のことも、その支援の実態も知らず、受け入れ国の事情も分からず、ましてやその、Development なるものの実態を知らないので、英文の困難さと実態理解の両方からの困難さが、難しさに拍車をかけることになりますね・・・。それに年で根気が続かない。ないない尽くしの中での乱戦、ご想像下さい。呵々 


  6.荒牧鉄雄著 高等英文解釈読本(若い時に1回は読んだのであろう、線は随所に引いてあるのだが、皆目覚えては居ない。)呵々



  7.斉藤秀三郎著 松田福松訳 『准動詞用法詳解』 等々、こんな本を読みながら、もし高山先生や小路さんが居たら、こんな本のことをどう思っているのだろうかな?なんて思っていたのです。


   荒牧氏と言い、斉藤秀三郎氏と言い、どんな世界にも考えられないくらいエライ人がいるものですね・・・。 改めて、私の近況かたがた、往事を偲んで格別の懐旧の念を抱いた次第、兄のご健勝を心から祈念しております。 


   最近は認知症ならずとも物忘れ甚だしく、前に何を書いたか記憶出来ない故、ワープロによる手紙を時々書いております。失礼をお詫び致します。そうぞ御海容の程をお願い申し上げます。 


平成21年4月20日

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