気力を整える(楽水の見解)

   益軒先生は絶えず『気』について、気を損じてはならぬと説いておられます。『気』とはなんぞやと問う向きもあるし、気なんて第一あるのか?とその存在を疑問視する声もあります。

 私も若い頃は『気』なんてものをあまり信用もしなかったし、そんなものに対する関心もなかったと言って良い。
 最近は『気』は健康保持に極めて大切な要因だと思うようになっている。『気』とは、まあ『元気』『ヤル気』などの気で十分ではないかと思う。(人によっては、自分の意識で直接感じられないモノは信じないと言う御仁もあるだろうが、いまはそのことに論究しない。)

 そして、この『気』は人にとって不足状態が一般に『気』が増え、充足状態では衰えるように思う。飲食は満ち足りると眠くなり、気が衰える。午睡も10分程度でもう少し眠りたいと思うところで起きると頭がスッキリとするが、十分に寝ると却って午睡の後はだれた気分になるようなものである。

 そこで益軒先生は『色欲をつつしみて精気をおしみ、時ならずして臥さず。久しく眠ることを戒め、久しく安坐せず、時々身を動かして気をめぐらすべし。ことに食後は数百歩、歩行すべし。もし、久しく安坐し、又食後に穏座しひるいねなどするは滞りて病を生ず』といっておられるのであろう。