内敵に克つには勇、外敵に勝つには畏れ

    およそ人の身は、よはくもろくして、あだなること、風前の灯火の消えやすきが如し。あやうきかな。つねにつつしみて身をたもつべし。いわんや、内外より身をせむる敵多きをや。先ず飲食の欲、好色の欲、睡臥の欲、或いは怒り、悲しみ、憂いを以て身をせむ。これらはみな我が身の内より起こり居て、身をせむる欲なれば、内敵なり。中について、飲食、好色は、内欲より外敵を引き入る。最も恐るべし。
 風・寒・暑・湿は、身の外よりいりて我をせむる物なれば外敵なり。


   [楽水の註]

   私は人の体は微妙なバランスの上に立っているように思っている。作業力の大小は必ずしも健康度の指標とはならない。この続きはまた明日。