飲食は身を養い、臥寝は気を養うものであるが、少なきを可とする

   飲食は身を養い、ねぶり臥すは気を養う。しかれども飲食節に過ぎれば、脾胃をそこなう。ねぶり臥すこと、時ならざれば、元気を損なう。よく生を養う人はつとにおき、夜半にいねて、昼いねず、常にわざをつとめておこたらず、ねぶりふす事をすくなくして、神気ををいさぎよくし、飲食を少なくして腹中を清虚にす。かくのごとくなれば、元気よく、めぐりふさがらずして、病生ぜず。発生の気其の養いを得て、血気おのずからさかんにして病なし、是寝食の二つの節に当たれるは、また養生の要なり。


   [楽水の註]

   飲食については、少食こそ健康保持の要点だと言う人もあうかと思えば、”しっかり食べよ”と言う人もある。私は大食いで失敗してきた者だから、少食がよいと思っている。だが、多くの人いとって、勿論私にとっても常に少食を守ると言うことはそれ程容易ではない。



    次に睡眠だが、私は物心ついてから、人に起こされたという記憶が殆どない。翌日3時、4時に起きて何かしようと思えば、大抵は間に合うようには起きる。つまり目覚まし時計に特に頼らなくても起きれるのであるが、まあ、若干神経質と言えば言えなくもないであろう。起こされても起こされてもつい眠ってしまって、遅刻したなんて言う人は、私に言わせれば、きっと人が良いのであろうと思う。お人好しなのだと思う。



    昼間、横になるかどうかは、私は多分にその人の生活習慣かと思っている。私は最近は昼間居眠りをすることがあるようになったが、そのまま横に臥すと言うことはまずない。川島四郎先生は、食事後は後かたづけもしないで、横になって休めとおっしゃっていた。先生は93歳まで生きられた。



    益軒先生は上記の通りだが、84歳で亡くなられた。もっとも時代が違い、個人差もあるから、睡眠に関しては各人各様かと思っている。



    私自身の経験では、少食だと睡眠時間は本当に少なくて済む、断食でもしたら、3−5時間で十分だと私は思った。最近は私は断食はやっていない。やる気もない。