果物の食べ方(貝原益軒−養生訓より)
 諸菓、寒具(ひがし)など、灸(あぶり)食えば害なし。味も可なり、胡瓜(あまうり)は核を去りて蒸し食す。味良くして胃をやぶらず。熟柿も木練りも、皮共に熱湯にて温め食すべし。干し柿はあぶり食うべし。皆脾胃虚の人に害なし。梨は大寒なり。蒸し煮て食すれば性やはらぐ、胃虚寒の人は、食うべからず。

 益軒先生ならではの果物の食べ方の細かい注意である。一口で言えば、果物も火を通してから食べよと言うところである。益軒先生は徹底した火食の方だ。甲田先生はまた徹底した”生菜食”の方だ。私はいま、両極端な先生の言を学んでいることになる。
 私が歳を取っていること、そして頑健な体のつくりで無いことを考えると、益軒先生の言に教えられることは多い。
 誰が何と言っても、『柿』は私は食べないことにしている。私の体に合わないように思う。ここは石田三成流である。梨も私の体質なら食してはいけないと言うことらしい。