飲食はこらえて少量に止めよ。(貝原益軒

 凡そ食欲を控えこらゆること、久しき間にあらず。飲食するとき、しゅゆの間(ほんのしばらくの間の意)欲を忍にあり。また分量は多きにあらず。飯は只二三口、菜は只一二片、少しの欲をこらえて食せざれば害なし。酒も亦しかい。多飲の人も少しこらえて、酔い過ごさざれば害無し。
 脾胃の好むと嫌うものを知りて好む物を食し、嫌うものを食すべからず。

 少食、少食と言うけれど、何も特別に量を少なくせずともほんの少し控えておけば良いのだという益軒の説諭は万人に受け容れ可能な言葉であろう。いまは腹八分でも多い。腹七分にせよというのだが、誰にでもこんな説で受け容れられるとは考えにくい。
 だが、本当は腹七分説が正しいのであろう。