”○○さん知っていますよ。覚えております。みんなの中では、クラスで一番美貌?とか言う評判だった学生でしょう? そう?何やら事業に大成功?それはおめでとう。 しかしね、もうワシは、そんな事業に成功とか何とか言う事には無関心になってしまったよ。年のせいでもあるのだろうが、考えが変わったせいだろう。

 ワシは先日の『ふるさと発、歌って大きくなれ・下北半島』を見ていたら、涙がでて涙がでてどうしようもないくらい深い深い感動をした。 この手紙を書いている、BGMには千住真理子さんの演奏のバッハの無伴奏曲が流れている。これは私の大好きな曲で、ワシが死んだら葬式の間中、この曲を流すように家人に言っているほど好きな曲なんや。 好きと言えば、今日のワシのブロッグに書いて居るンヤけど[今日の言葉] 勇於敢則殺、勇於不敢則活。(敢に勇なれば則ち殺し、不敢に勇なれば則ち活かす)                                  P335c 老子73章

 勇気には二つの種類がある。一つは敢、すなわちどんな困難があっても敢えてやると言う積極の勇気、他の一つは不敢、すなわちどんなことがあっても、絶対にやらないという消極の勇気である。 敢の勇気はややもすると人を殺し、己を殺す。これに対し不敢の勇気は人を生かし、己を生かす。より大切なのは不敢の勇気である。と言う。

 これは大変な哲学だと私は思う。私の育ってきた環境も、そしてなによりも時代が敢の勇気を褒めそやしてきた。今の時代はむしろ不敢の勇気を持つべき時代ではないか?
 とまあ、こんなことなの。 皆さんによろしくね。ご返事そして皆の近況のお知らせ有り難う。  清水  ”
$$$$$$$$$ ここで以前担任をしていたご婦人へのメイルは終わり $$$$$$$$$$

イジメ、自殺、必須教科ヌケ、虚偽申告、校長も自殺、間に合わせの泥縄式の補修。オカシイ。だが、こんなオカシイ時代だからこそ、美しいモノに感激したり、泣いたり、胸ふるわせたりしてもエエじゃないか?

 自分は後世に残るほどのことは何一つなしえないけど、先人の残してくれた文化を見たり、聞いたり、時にはさわってその素晴らしさにしばし酔うことが出来るいま、この幸せに感謝しております。Iさん、長生きしましょう。長生きしてやること、やらねばならぬ事、そして楽しむこともいっぱいあるように思うものですから・・・・。 清水