断食と1日断食について

 私は30歳前半に胃潰瘍を患い、30代は胃腸病で苦しんだ。42歳の時、ある本を読んで、食べるから胃が休まらない、それなら胃を休めたら胃潰瘍も治るに違いないと、独り勝手に判断し即実行した。(これは無謀、絶対に真似してはいけない。)

 断食2日目夜、ショックが起こり、急に苦しくなった。だが、それでも無知とは怖いモノ、そのまま乗り切った。3日目からは今度は空腹との闘いだけで、あとは意志比べみたいなもの、4日、5日と続け、もう何も欲しくない、水も欲しくなかった。断食そのものは楽になった。

 かくして1週間が過ぎたが、いざ復食しようとしたが、今度は食欲がわかない。食べ物を欲しいと思わないのである。この頃になってやっと事の重大さを感じ、10日目についにかかりつけの医者のモトに走った。

 医者は、私を一目見るなり驚き、ガンの末期かと思ったらしい。私が『断食でこれこれシカジカ・・・』と説明するに及んで、事の次第を飲み込んでくれた。
 『もう、そんなアホなことをしたらアキマヘンで・・・』と少量のブドウ糖を、30分以上もかけてくっくりと注射してくれた。そして、それから数日間は同様な注射による体力回復のために医者通いを続けねばならなかった。

だが、この我流断食で胃潰瘍の大半は治ってしまった。(甲田医師はじめ、現在の断食指導者は胃潰瘍者の断食はいけないということになっている。読者は勝手断食をしないようにしてほしい。)
 それから、約10年ばかりしてから、*1との出合いがあり、本格的な断食を教わった。本格的断食とは、事前の準備、断食、断食後の復食とそれなりの注意があったのは勿論である。また、断食も、本格的水しかとらない、本断食、寒天をとる寒天断食、すまし汁を飲むすまし断食、などなどいろいろなバリエーションがあることも同時に学んだ。

 断食学習も60歳を過ぎた頃になったら、大学に勤めながら、すまし断食を2週間ばかり継続したこともあったが、学生は殆ど気づいて居ないぐらい、私はかなり平気ですまし断食ができるようになっていた。

 66歳で定年退職したが、退職後は断食は殆どしなかったように思う。

 それで、最近また、断食を再開することになったのだが、それは偏に私の健康法として行うものだが、副産としてユニセフへの献金資金の調達もできようかと思う。

 1日断食は、事前準備は殆どなくて良い、できれば断食前夜は幾分控えめの食事がよいであろう。(”明日から断食だから、今夜はウンと食べておこう”これは最低、)また断食後の回復食などと言う大げさなことも必要ないでしょう。まあ、出来たら断食後の翌朝の朝食を軽く取って、様子を見るくらいにしたらそれで十分と思われる。(つまり、腹への収まり具合をみるのである。)

 断食を3日もやれば、こうは行かない。断食は正宗の名刀とは甲田先生の言葉だが、同時に諸刃の剣でもあって、断食によって自分が傷つくこともあるから、安易な断食は絶対にしてはならないが、1日断食はそうした危険が無く、実行できて効果は大きいと思う。

 効果は、身体的には血圧の正常化、肥満防止、血中のコレステロール正常化、塩分調節など、よいこと一杯だが、精神的にもやってみれば分かることだが、むしろ、精神効果が大きいであろう。

 皆さんへのお勧めであるが、まずは自分自身がどのように良い状態になって行くか?良い手本とならなければならないであろう。 (本稿終わり)

 

*1:甲田医師:甲田光雄、八尾市で開業医、西式健康法と現代医学の合体、医、宗教、食、の三位一体論、難病治療では恐らく日本一であろう、日本綜合医学会会長