楽水の葉隠

 葉隠に現れる『恋』は、男色の恋ではないか?言う疑問をもって、研究したのはよいのだが、そのことで調べれば調べるほど、男色の恋だと、ほぼ断定できるようになった。
 否、日本では、神代から奈良、平安、鎌倉、戦国、江戸の各時代、少しも衰えることなくむしろ盛んに、男色は普通のこととして発達してきた観がある。
 そんなことすら知らなかった私は全く迂闊者というべきで二の句がつげない。
 従ってこのことについての詮議は、終わりとしたい。