ワシがいま最も尊敬するK医師から便りを(メイル)頂いた。K医師は兵庫県T市で開業医を営んでおられる。先生の信念は『医師は医療に専念すべきである』である。先生の信念からは、”森鴎外は小説など書かずに陸軍軍医総監として兵士の健康管理(脚気の撲滅)に尽力すべきであった。”と批判の手は厳しい。先生とワシとの文通を2日に渡って披露してみたい。 

本日はワシから K 先生あてに出した先便の写し。(” >”で始まる行の文は先生からの前々文) 


   いろいろなご教示有り難うございます。高齢者の危険は、冬季は夏季の3倍、そうですか? 注意しなければならないはずですね・・・。 



> 癌、糖尿、肝臓・・・・などは季節的な注意では駄目で、

   そうなんですか・・・。友の中にもガン闘病中は多いです。まあ、人ごとではありません。私自身注意をしたいと思っております。 


> TVのグルメ番組の影響でしょうか。

   私もどうして、”蕎麦食い競争” のような下劣な番組を賞金つけて放映するのか?当局も勿論だが、応募する人も同じくどうにかならぬか!の感慨をもっております。 


   それとウマイモノの食い歩き、私もたまりません。と言ってもああした番組を嫌う人は少数派。変わり者あつかいにされるのがオチでありましょう。 


> ・・・と考えて居られるようで、「一割の負担金が高い、年寄り虐め」と言う人ばかり。

   これは、なんとなく言いにくい、誤解を招き易い言葉で、私もよう言いませんが、みんなあんまり安易に医者にかかりすぎています。 


   こんなことは、お医者さんにも言えないし、まして老人同士も言えないし・・・。老人の医療費は年々上がるばかり、国は勿論、またその金を負担している国民もそのこと故に喘いでおります。 


   『お医者さんにjかからぬ運動』等を提唱したら、みんなから袋叩きにあうこと必定!!ですが必要だと思う。ここは医者にかかるべきか?素人判断でも良いのか?その判断のケジメをつけるのも素人では難しい面があることは否定できません。 


   私は、まあなんとなくズル休みを口実にして、お医者さんにかからずに済むように心がけるつもりです。まあ、病気になってアカンようになるのも、天命かな・・・。もうこの年、病院で検査したら、○○が悪い、△△が悪い、X X や、バイパスした方がよろしいデ・・・と言われること請け合いです。(言われたら気になる小心者故、近づかない。) 



   ようく自分の体の変化を見たら、○○が悪いことも分かっているつもり、絶対走らない、急がない、気分をゆったり持つ、働き過ぎない等々、気をつけるだけ気をつけて玄米菜食(まがい)、自力管理でどこまで行けるか?それも、ある意味で楽しみにしております。 


   ダウンしたら、最寄りのお医者さんのお世話にならないと仕方がありませんでしょう。 



   そうです、病院は暇人の年寄りで一杯で若い働き盛りの人が病院に行っても順番待ちですぐには診て貰えません(らしい)。20代、30代の働き盛りを優先して診察したら、良いと思いますが、これも言い出したモノは袋叩きに会うでしょう。 


   日本はなんでもアメリカの真似が好きですから、国民皆保険の制度を止めたらよさそうにも思えますが、これは大変な混乱が起きるから実現性は乏しい。 


>  明治時代には1〜2%?だった癌が、今では二人に一人、

   それ先生ホンマですか?明治時代なんて、庶民はあんまりお医者さんの治療なんて受けられなかったから、死因などは明確で無かった面があるのでは無いのですか? 


   しかし、食生活が良くなると、大腸癌などが多くなるという疫学上の統計はあるようですが・・・。その他の癌もやはり文明病のようなところがあるのですかね・・・。 


   まあ、何をしても、どんなことをしても人は必ず死にますし、83歳と言うと、貝原益軒先生ですら84歳で亡くなっておられますから、まあ、天命を全うしたと観念しても良い年頃かな・・・と思ってもいます? 


   では、今夜はこれにて失礼します。  禿翁(83歳)  



        • *** 先生からの返信、以下の通り *** ------

  

  

   ワシへの宛名 


   寒くなって参りましたね。昔のようなことはありませんが。


   自由社会、言論の自由と言いますが、マスコミの流れに逆らった意見は無視されたら良い方で、袋叩きにされるますね。不自由が現実。先日、「診療を拒否するのは医師に人格的欠陥がある。忙しくても診療に応ずべき」と発言した大臣が陳謝させられました。私はあの大臣発言に賛成です。大臣も政局の混乱を避けるため前言を撤回・陳謝しただけでしょう。マスコミは過去何十年、医師を不当に攻撃してきましたが、今は医師批判を避けており、勝手なものです。医師以外の者は法律的に業としての診療はできません。(事故に遭遇したとき、手当、処置することは「緊急避難行為」として誰にでも例外的に認められています)。医師法は診療行為を医師の特権として保護するのと引き替えに「故なくして診療を拒否してはならない(十九条)」と規定しています。



   ”故”とは、「医師自身が相当重症である場合」と殆ど同義語。専門外である、診療中、部屋がない・・・・・は正当な拒否理由になりません。「貴方の病状と、私は専門が違うが、構わないか」、・・・・のため待って貰わねばならないが、よいか」など、状況を説明したうえで診察。転送する必要があるときは、医師が適当な医療機関を探すべくでしょう。



   癌の%ですが、明治も後半にもなると病理学、細菌学の進歩はめざましく、信頼できます。医師に懸かることが出来る人が少なかったにしろ、年齢別の罹患率、死亡率は出てきます。 



   食生活が良くなると、大腸癌などが多くなるという癌の原因については簡単に説明しにくいですが、有害な刺激(ビールス感染なども含めて)が、ある期間以上加わると発症すると考えて良いでしょう。 喫煙によって最も出来やすいところは肺、喉頭。塩辛い味噌汁や漬け物で五合飯や一升飯の時代は胃。肉魚卵など多食、臭い大便を溜めている人は腸、8?ほどある腸の中でも、便が停滞しやすい回盲部とS腸、直腸に。といった具合です。つまり、どんな癌にかかるかも時代、生活、経済・・・・が大きく関係しています。


   仰言るとおり、 必ず死にますものね。「散る桜、残る桜も散る桜」。そして、その人のように生きるより他ないのでしょう。 早々


   上記の通りだが、先生の説では、矢張りガンの患者の方は多くなったらしい。と言ってもワシで出来そうなことは、玄米菜食、少食の実行ぐらいか?



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