私は最近、昔、旧制の中学の同窓生で体操部だったI君とのメイル交換を楽しんでいる。

   以下は私が彼に送ったメイル


  

   I○ ○○  様

  > 家内の父(岳父)は晩年しか知りませんが終戦時現役の海軍少将でした.。佐中出身で す。


  Ans:エエッ? たまげたな・・・。いっかどの人物でなければ、少将にはなれないが、その少将と言う職が人を作る面もある。どちらにしてもエライ人ですね。恐れ入った。その人のお嬢さんと縁があったのだね・・・。ウーム。 困ることも多かったであろう。同情するよ。


   佐中はやはり大した学校だったのだ。もっとも何事も例外があるわけで、ワシのようなボンクラも居て、まあ、ほどよいバランスが保たれているのであろうか?


  > パリでは印象派の画家達が成熟期を迎え、セザンヌゴッホゴーギャン が紹介されたらしい。.幸次郎は後にこうした画家たちの絵を収集する運命をになっていたらしい。


  > 大兄が感動をもって見られたのはどのへんでしょうか?


   Ans: I君らしい質問と、話の進めようやな・・・。話し甲斐があるというものだ。


   1. さあ、どう言ったらよいか?彼はオーストリアだかの皇帝が狙撃された事件を聞いた途端に、これから戦争がある。鉄を買えるだけ買えと命じたそうだ。次ぎに

   2. 船の既製品を作りに作ったと言う。あとは既製品のような船の注文をとってドンドン輸出したと言うではないか?

  1.2.の発想が奇抜だと思う。また実行するところが破格だ、凄いの一語。そして、しかも大成功だから痛快


    3.松方は、『絵はワシは分からない、』と言って、しかるべきモノに依頼してドンドン絵を買いまくっている。

    4.日本の若い画家達に西洋の絵とはこんなモノだということをしらせてやりたいと思って買いまくったと言うから、その発想が凄いと思わないか?自分のタメではないところが、ホンマに偉いのだ。


    5.言葉どおり、松方は自分が買った絵を一枚も自宅に飾って居なかったという。(いや飾っていてもそのこと故にどうこうと言うことは勿論ないが・・・)


    6.絵の買いっぷりもずば抜けている。これとこれを買うと言うのではない。ここから、あそこまで陳列の絵を全部買う、幾らだ?と、とてつもない買いようだ。

    7.東条英機と廊下ですれ違ったときの会話も抜群だ。『お前みたいなのが総理大臣をしているから、日本は大変なことになったのだ、早く辞めて田舎に帰れ!』と言ったとか言わなかったとか、話半分でもやはりそうした気分が彼の周辺にはあったのであろう。葉隠武士にもこの気概はあるまい。つまり国際感覚抜群ということ。


    8.最後に吉田 茂が、フランスと松方の所蔵の絵を日本に返して貰う交渉をフランスにした。その経緯をみて、涙がでて仕様がなかった。吉田 茂もエライが、フランスもやはり立派な国だ。いま、修身の教科書というのがあるかないか知らないが、もし教科書に載せるというのならば、この松方幸次郎のような話をあげるべきであろう。

   まあ、話はやや脱線気味だが、昨夜はさわやかな夜を迎え安眠した。エライ人がいるな・・・。人間的なスケールが違う。

   資質が違うのだ。軍人でも佐官級以上になると人間的資質が違うのだ。『エンジャクイズクンゾコウコクの志知らんヤ』といのがあったよね・・・。

   今日はここまで。  禿翁


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