池田重利公の御歌

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三十七、それまではおもひもいれずやと思ふ人の


        うらむるふしぞさてはうれしき

        訳=それまでは気にもとめてはいてくれまいと思っていた人が、私が会いに行かないのを恨んでいると聞いてそれはそれで嬉しくなりました。



三十八、かくばかりうしとおもふに恋しきは

        わがこころさへふたつありけり

        訳=そのようなことで、こころのどこかで苦しく辛いと思いながらも、あの方が恋しくも思い出されて、自分の心の中で二つの思いがゆきつ戻りつしています。