今日の言葉

跨者不行。(跨ぐ者は行かず。)P323b 老子24章
 大股に歩く者は、決して遠くまで歩き続けることは出来ない。無理をしているからである。

 味わいのある良い言葉である。老子に一貫して流れている思想でもある。無理する、頑張ることを極力戒めている言葉で、ごく自然に肩肘張らぬところが、いまの私には好ましく思える。

 私の生涯は、なんとなく『ド馬に鞭打つ』と言う感じであった。頑張ることを良しとし、無為に過ごすことを極力戒めてきた感じがする。大した人間でもないのに、とにかくなんとか格好がつかないといけないように思ってきた自分だ。

 それが、私が事に当たって、柔軟な考えを持ち難くした最大の原因ではなかったか?
先日、神戸に行った折り、『老子』の単本を見つけている。いま手元にあるのは、抜粋だと思うので、単本で完全本を手に入れてみたい。